第2回 「これ読んでちゃぶ台! 『RED』」

※ 前書き
以下の文章においては、アメリカ先住民の呼称を「インディアン」と表記しておりますが、これは作中の表記に準じたものであり、私ことXnに差別助長の意図は全くございません。また、単行本各巻及び雑誌掲載時に必ず明記されているように、原作者である村枝賢一先生及び製作スタッフの方々にもその意図が皆無であることをここに記します。

ハイ、どーも、Xnです。今回は、私のお勧めの漫画、「RED (村枝賢一著 講談社 ヤンマガアッパーズ連載@〜I巻以下続巻)」をご紹介いたします。

19世紀末のアメリカ西部の小さな町で、日本から逃げてきた肥後藩士・伊藤伊衛郎(いとう いえろう)が、長身・白髪のインディアンの青年、レッドに出会ったところから物語は始まります。レッドは普段は(というか、本当は)ちょっと間抜けなところもある心優しい青年なのですが、実は10年前、殺人快楽主義者集団・「ブルー小隊(総勢25名)」によって皆殺しにされたウィシャ・スー族の最後の生き残り(実際にはもう一人いるのですが)であり、その仲間達の無念を晴らすべく旅を続けているのです。「最初の標的」である、その町の保安官・バーンズを葬った後、傷ついた体を引きずりながら次なる仇を求めて去っていくレッド。レッドとの出会いにより、もう一度「武士らしく生きる」ことに目覚めた伊衛郎はレッドと共に闘うことを決意し、彼の後を追って旅立つ・・・というのが序盤のあらすじで、その後、レッドに興味を持ち、自ら「レッドの女」を名乗る謎の白人女性アンジーや、二丁拳銃使いの巡回牧師グレイ、ブルー小隊唯一の良識人ゴールドスミスらを仲間に加え、復讐の旅を続けていきます。その一方で、もう一人のウィシャ族の生き残りの少女・スカーレットもまた、己の出生の秘密を知り、「レッドの涙を止める」ために過酷な旅へと赴きます。物語は、このレッドの視点とスカーレットの視点とを交互に描く形で展開し、その中で一つ一つの謎が語られていくという構成になっています。また、アメリカを舞台にした話でありながら、日本人青年がメインキャラとして登場するところもまた、面白さに拍車をかけています。

「全てを奪われたものの復讐」を前面に押し出した作品なので、少々残酷な場面が続出するので、そういうのがお嫌いな方も少なくはないと思いますが、この作品の根底にあるのは、人間の怒り、悲しみ、喜び、優しさ、そして、「生きることの意味」だと思います。コマの合間合間から、そういったものが読む者に対し怒涛のように力強く訴えかけてくるように感じます。血なまぐさい場面だけでなく、笑っちゃう場面や、思わずもらい泣きしそうになる場面もいっぱいです。私的には、2巻P62〜P68にかけての、「伊衛郎の真摯な友情に触れたレッドが号泣する場面」が一番のお気に入りです。

とりあえず、この拙い文を読んで、ちょっとでも興味を抱いてくれた方がいらしたら、騙されたと思って一度読んでみてください。面白いです。熱いです。泣けます。燃えます。感動します。きっと気にいると思います。そう感じられなくても、私に怒りをぶつけないでね(笑)。

最後に「私的イメージキャスティング」を表記して終わります。良かったら参考にしてください。
以下敬称略
レッド…関智一   伊衛郎…長島雄一   アンジー…鶴ひろみ   
グレイ…山寺宏一   ゴールドスミス…玄田哲章   スカーレット…岩男潤子
チリカ…くまいもとこ   バーンズ…郷里大輔   ヒル…家弓家正
テレンス…柴田秀勝   オーエン…大塚明夫   コッパー兄弟…二又一成
グリ−ンウェル…石田彰   ブーン…大友龍三郎   キングストン…加藤治
ルーカス…田中秀幸   ビショップ…滝口順平   クイン…石塚運昇
ナイト…肝付兼太   オコーナー…島香裕   バリー…子安武人
シーゲル…松本保典   モックリッジ…キートン山田   ベーカー…千葉繁
ジェーン…佐久間レイ   キッド…山崎たくみ   クロケット…永井一郎
シルバーリング…飯塚昭三   ロストネック…森川智之   ワシテ…根谷美智子
ペジュタ…松本梨香   クレイジーホース…神谷明   ゴヤスレイ…大塚周夫
アルコーズ…池田勝   ティヨーレ(幼少時のレッド)…緒方恵美   オセオラ…一柳斎貞友
村崎…鈴置洋孝   バーニィ…山口勝平   タリア…天野由梨
ブルー…銀河万丈

 

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